12月1日(土)IRセミナー
開催報告

日時:2018年12月1日(土)13:00~16:00
会場:ロイヤルパークホテル
主催:株式会社マジカルポケット

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マジカルポケットでは、2018年12月1日(土)ロイヤルパークホテルにて、通常の個人投資家向けIRセミナーの枠を超えて、ヘルスケアのフロンティア~がん治療の最前線~と題し、特別IRセミナーを開催いたしました。
第一部では、基調講演として、大阪大学大学院教授の森下竜一教授には『バイオ・ヘルスケアベンチャーの挑戦』と題しご講演頂き、第二部では、バイオベンチャー企業である、カルナバイオサイエンス株式会社とナノキャリア株式会社より会社の事業説明や今後の事業展開などをご説明いただきました。
第三部では、モデレーターを株式会社マジカルポケット顧問近藤が務め、森下教授、カルナバイオサイエンス株式会社吉野社長、ナノキャリア株式会社中冨社長でがんに領域に関するパネルディスカッションを行いました。
多くのお客様にご来場いただき、大盛況のうちに終了いたしました。

■ご挨拶■ マジカルポケット顧問 近藤 一仁

【マジカルポケット顧問 近藤一仁のご挨拶&テーマ解説】
マジカルポケット主催の本格的なテーマ別「個人投資家のための会社説明会」では、当社顧問の近藤一仁が、ご挨拶を兼ねて、当日のテーマである「ヘルスケアのフロンティア~がん治療の最前線~」の解説を行いました。がんの発生メカニズム、古代ギリシャや日本における乳がん手術の歴史、抗がん剤の開発の歴史や現在使われている治療剤の実態、新たなロボット(da Vinci)よる最先端手術、遺伝子治療薬の登場やオプジーボの改良によるがんの免疫療法への期待、最後に画期的ながんの治療が完成されるまでは「早期発見」が鍵を握るとの観点から、様々な「がんの早期発見法」について解説しました。

■基調講演■ 大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学 寄附講座教授 森下 竜一 教授
森下教授は「内閣府 規制改革推進会議委員、内閣官房 健康・医療戦略室 健康・医療戦略参与、大学発バイオベンチャー協議会会長代行」等の要職に就いておられ、専門抗加齢医学の観点から「遺伝子とがん」などに触れていただき、「がん治療の最前線」、「がんと遺伝子治療」などを講演会テーマのキーワードとしてご登壇頂きます。

【大阪大学大学院 森下竜一教授の基調講演】
大阪大学大学院 遺伝子治療学科の森下竜一教授は、当日のテーマである「ヘルスケア」の市場の大きさに注目し、遺伝子組み換え技術に端を発するバイオベンチャーによるがん治療の新薬の誕生、それを支援する政府の規制改革の動き、ご自身が創業者である「アンジェス」(わが国初の上場バイオベンチャー企業)の現状と将来、がんの遺伝子治療の発展等に触れ、今後期待される大学発バイオベンチャーの動きや2025年に開催が決定した大阪万国博覧会にも言及されました。大阪万博のテーマは今後具体的な検討が進むとしながらも、「アトラクション会場に入っただけで長生きできる」というような画期的なヘルスケアパビリオンなど、高齢化対策やアンチエイジングで世界に誇れる大阪万博への期待を膨らませ、ご講演を締めくくりました。

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カルナバイオサイエンス株式会社
カルナバイオサイエンス株式会社(東証ジャスタック 4572)
代表取締役社長 吉野 公一郎 氏
カルナバイオサイエンスは、革新的な新薬を生み出し、病に苦しむ全世界の患者さんに貢献することを目標に、がんや免疫炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬の研究開発を行うバイオベンチャーです。自社でゼロから新薬を創製し、飛躍的な成長を目指して研究開発に先行投資を行っており、これまで複数のパイプラインを製薬企業へ導出した実績があります。
また、創薬研究で培った技術を基盤として、キナーゼタンパク質の製造・販売や受託試験など、新薬の創製や基礎研究を支援するサービスを製薬企業やアカデミアに提供しており、安定した収入を確保していることも当社の強みです。

【カルナバイオサイエンスの吉野公一郎社長の講演内容】
吉野公一郎社長は、「革新的低分子医薬の創製を目指すカルナバイオサイエンス」と題した配布資料に沿って、会社概要、研究開発途上の新薬領域、全世界を対象とするグローバル展開の企図、数枚のスライドに及ぶ「大腸がん」の患者数、生存率、治療に詳しく触れました。また、創薬事業における技術導出契約実績や開発途上の「CDC7阻害薬 SRA141」についても、数枚のスライドを準備され、技術導出先での臨床準備の状況を詳しく説明されました。更に、がん領域以外のリウマチ等の免疫炎症疾患の新薬にも触れつつ、創薬パイプライン全体像も明らかにされました。最後に、カルナバイオサイエンスの「強み」や「ユニークなビジネスモデル」、投資家に関心の高い「資金調達」(ファイナンス)の状況に触れ、持続的な成長戦略を再確認し、ご講演を締めくくりました。

ホームページ 株価
ナノキャリア株式会社
ナノキャリア株式会社(東証マザーズ 4571)
代表取締役社長 中冨 一郎 氏
日本発の最先端ナノテクノロジーを利用して患者さんのQOL(生活の質)向上を目 指した医薬品を開発する創薬ベンチャー。がん組織をピンポイントで攻撃する、ナノサイズの特殊なカプセル「ミセル化ナノ粒子」を開発。粒子の中に抗がん剤を封じ込め体内に投与、がん組織に直接届け、抗がん剤を一気に大量に放出するので、がん細胞への攻撃力が強く、正常な細胞への攻撃を抑制し、副作用を軽減します。開発中の抗がん剤候補は、現在ヒトでの臨床試験が日米欧アジアの各国で実施されています。さらに、この粒子を利用し、高級化粧品メーカーのアルビオンと共同開発。皮膚浸透性に特徴を持たせた美容液「エクラフチュールd」などを販売中。さらに、頭皮の健康を考えた育毛製品「Depth」シリーズも販売しています。

【ナノキャリアの中富一郎社長の講演内容】
中富一郎社長は、「ヘルスケアのフロンティア~がん治療の最前線~」と題した配布資料に基づきつつ、会社概要,自社である「ミセル化ナノ粒子」の特長、現在、臨床開発途上のパイプラインの説明、他社との共同研究を通じた事業開発の状況、「ミセル化ナノ技術」を応用した「化粧品事業」の将来、その化粧品事業の「皮膚領域」への展開力等に触れ、最後に個人投資家も気になる2019年3月期 下期(10月~3月)の取り組みにも言及されました。特に、「自社技術の実用化に向けて」臨床開発中の品目の選択と集中や「経営基盤の強化に向けて」耳鼻科領域や皮膚科領域への推進と展開力につて触れ、予定時間を若干超えましたが、穏やかな口調ながら熱弁をふるわれました。最後に、当日ノベルティとして、配布した化粧品の効能にも、ご自身が毎日使っていること等のエピソードを交えながら、投資家へのPRもお忘れになりませんでした。

■パネルディスカッション■

【講師3名によるパネルディスカッションの内容】
予定の時間がかなり少なくなったものの、近藤一仁がモデレーター役となって、約20分間のパネルディスカッションを行いました。議論のテーマは、事前に会場の投資家からいただいていた質問に対して、吉野社長、中富社長からご回答していただいた他、森下教授にもご参加いただいて、「日本のバイオベンチャーの現状と課題」、「わが国の厚生労働省と米国FDA」、「医薬品の薬価改定が収益を圧迫するわが国と自由な価格設定が可能な米国」等々に関して、各講演者の先生方から活発なご意見がありました。最後に、モデレーターから「会場の投資家の皆さんへのメッセージ」を求められると、「バイオベンチャーの将来に対して、長い目で見てください!」というのが共通したメッセージとなりました。

参加者様の声

■男性/60代■
知らない会社でしたが、理解でき、興味が出ました。がんの現状に対する希望が出てきました。ありがとうございます。パネルディスカッションで米国と日本の医療の違いがよくわかりました。


■女性/30代■
資金調達についての方針を説明されていたのはとてもよかったと思います。パネルディスカッションの日米の開発環境の違いについては面白かったです。社長様方もご自身の考えを話されていて、大変参考になりました。

■男性/60代■
社長の誠実な人柄が感じられる説明で、将来に希望が持てる。がんは人類の敵。とても良い企画だった。

■男性/50代■
タイムリーな企画でバイオ、特にがんについて適切な知識が得られた。

■女性/30代■
個人投資家には少し難しいかもしれない。がんの現状に希望が出来ました。ありがとうございます。

当日の様子